Cai Jiacheng, Graduate School of Human Cultures

Study Abroad in Japan ; Through the Eyes of a Chinese Student
Cai Jiacheng, Division of Regional Studies

2024年6月 奈良 近江環人地域再生学座実践現場体感特別講義.jpg

はじめて滋賀を訪れたのは六年前のことでした。当時の私は高校を卒業したばかりで、日本語も簡単な挨拶程度しか話せませんでした。
アニメや漫画、小説を通じて抱いていた日本への憧れを胸に、卒業旅行の行き先として近畿地方を選びました。

六年前のことですから、記憶はほとんどぼんやりとしています。しかし、近江鉄道に乗り、線路沿いに広がる滋賀の風景に見とれたあの瞬間だけは、今でも鮮明に覚えています。振り返ってみれば、一人で大津・日野・豊郷・彦根の町を歩き、自然を堪能したことが、滋賀に惹かれるきっかけだったのかもしれません。

そんな思い出もあり、二年前に大学院進学を考えたとき、真っ先に滋賀県立大学を調べてみました。ちょうど私が学びたい民俗学を専門とされている市川先生がいらっしゃり、募集要項に記載されていた条件もすべて満たしていました。メールや電話での問い合わせ、学校見学、そして入学試験と、半年にわたる努力の末、昨年四月から私は無事、滋賀県立大学の大学院生としての生活をスタートさせることができました。

2025年10月 米原曳山祭調査.jpg

この二年間の学生生活を一言で表すなら、それは「知見を広げ、視野を拡大する道のり」でした。民俗学を専攻し、さらに一年目には近江環人地域再生学座を副専攻として履修したことで、数多くの校外学習の機会に恵まれました。岡山県西粟倉村、徳島県上勝町、三重県多気町、奈良市高畑町、そして滋賀県内の草津、甲賀、日野、豊郷、米原、長浜...。先生のご指導のもと、視察研修や見学、調査など、さまざまな形で多くの地域を訪れました。その中で、「見る→考える→書く→まとめる」というプロセスが、この二年間の学びの基盤となりました。また、短いながらも充実した部活動の時間を通じて、多くの人と出会い、さまざまなつながりを築くことができました。そのため、学部の後輩たちに比べると、キャンパスにいる時間は少なかったかもしれませんが、非常に充実した学生生活を送ることができたと感じています。

滋賀、そして滋賀県立大学は、私に知識や技術、思考力、そして何よりも大切な人とのつながりという宝物を授けてくれました。まだ迷いながらではありますが、深い感謝の気持ちを胸に、これからは滋賀に恩返しができるよう、自分自身の未来と進むべき道を模索していきたいと思います。

今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

(December, 2025)